お盆回向

はじめに

そろそろ、お盆の季節ですね。

帰省して故郷に帰省する方も多いかと思います。近頃は、お墓参りや盆回向をする方は少なくはなってきていますが、それでも帰省すれば付き合うこともあるでしょう。

今日は、季節柄わたしがお盆回向に行った時のささやかな出来事をお届けいたします。

亡くなった人からのメッセージ

お盆には主に信徒さんのお宅へ回向に伺います。わたしの寺院では僧侶は通常、葬式をはじめ回向供養の時は、亡くなった人からのメッセージを霊感で受け取り、できるだけお伝えするようにしています。

それは、２つの理由があります。ひとつは、亡くなった方にはこの世に思い残しがないようするためと、もうひとつは残された方々には、亡くなっても全く消えてしまった訳ではないことを知って頂くためです。

滅多にないことですが、隠していた遺産の場所がわかったこともあります。（これを目的に依頼されても困りますがw）

今回は、回向に行った時のちょっとした経験談を書こうと思います。

おばあちゃんの好物

ここ２～３年の間にお亡くなりになられたおばあちゃんのお盆回向へ行った時でした。回向にはおばあちゃんの息子さんとその奥さんが出席されていました。

経文を唱えているとき亡くなったおばあちゃんが、目の前に現れてきました。するとおばあちゃんの姿の前に大きな房のバナナが浮かび上がりました。読経後、息子さんに、

と尋ねました。おばあちゃんは何でも食べる大食漢な方で、特にバナナは自分で買いに行くほどの好物だったとのことでした。

わたしは３本ほどのバナナをお皿に載せて本尊から向かって左側に供えることと、バナナは傷みやすいから午前中でも供えたらみんなで食べるよう伝えました。

ちなみに、バナナを左側にお供えするのは火を通していない供物だからです。火を通したもの、例えばお菓子のようなものは右側に供えます。

息子さんは嬉しそうに、この後バナナを買いに行くと言っていました。

おわりに

おばあちゃんの例のように、亡くなってあまり時間の経っていない方に関しては、この世の未練も強く、そのことが食べ物への欲求や親しい人への思いになって現れます。

みなさんがお参りや回向の席に参加したときも、目には見えないけれど亡くなった親しい人が、きっと傍まで来ているかと思います。

亡くなった方にとって、頼まれ事をされても迷惑な話しですし、成仏何て、先の先のお話しです。できれば、

と供養の想いを届けてくださいね。