転生

過去生への最終アプローチ

出家者にとって重要なこと

主に出家者に向けたものですが、大きく2点あります。

仏塔下の出家

まず、わたしの場合、出家に際して仏塔・多宝塔をご本尊に類したところで出家しなければ意味がなかったということです。

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この多宝塔の御前で出家するまで、今回思い出した過去生とは別の過去生を、法華経を経典に持った寺院での出家者を含めて数回送っています。

そのような過去生については、まったくの無駄だったとは思いたくはありませんが、結果的にお寺や僧侶を嫌悪するようになっただけのような気もしています。

きっと出家した仏塔が本尊である寺院に出会うことができるまで、紆余曲折しながら人としての長い修行をしてきていたのでしょう。

軽視していた戒律

次に、過去生においても軽視していた傾向にあった戒律についてです。

出家者には日常守るべき戒律がある場合があります。一方で、大乗仏教とされている宗派を中心に、妻帯から飲酒を含めて比較的自由な生活を営むことができます。

お釈迦さま存命の時代、残存している資料によると、サンガという出家者の集まりにおいて集団規則が決まっていました。

お釈迦さまの意向に合わせて小さな変更はありましたが、具足戒とも称される戒律が、波羅提木叉(はらだいもくしゃ)という戒本として残っています。

ちなみに、この記録上残っている戒律の1つであるとされる僧侶の財産の【所有禁止】という項目の解釈から、後世仏教は根本分裂という悲劇が起こっています。

わたしが、思い出した過去生から、次の代表的な戒律である5つの項目については、目に見えない世界ではこれを破れば出家者ではなくなってしまうと身をもってわかりました。

「目に見えない世界では」という点がキーポイントで、破ったとしても現実には何も変わっていないからです。具足戒とは以下のような5つの戒律です。

五戒(不殺生戒、不偸盗戒、不邪淫戒、不妄語戒、不飲酒戒)

上記の文字を見れば、何が禁止されていることが何となくわかるかと思います。戒律は、同時にひとつひとつを守ることが悟りであり解脱にも通じているとされています。

また、この戒律についてはお釈迦さまの次のような言葉も残されています。

あなた方のため、わたしによって示し定めた「法と律」が、わたしの死後は、あなた方の師である。

パーリ仏典, 大般涅槃経

上記の言葉の中でについては、出家者であるならば、諸行無常や十二因縁など、どこかで聞き覚えがあると思いますが、についてはどうでしょう。

その昔大乗系と呼ばれていた寺院の出家者の中には、妻帯・飲酒・etcとなし崩し的に生活に乱れをきたしているのではないでしょうか。今一度、出家者ならばその生活から見直してみるべきかもしれません。

次段より、過去生を知って、改めて人にとって大切なことをまとめてみました。

過去生を知ることで再認した大切なこと

わたしは、わたしのこの事例を持って過去生があると決して証明しようとしているわけではありません。また、わたしの中で頻繁に思い出される常軌を逸した記憶が、精神的な異常だとも思ってはいません。

過去生はわたしにとっては厳然たる事実です。もし、読者に心理学や精神系の疾患に詳しい方がいたら、わたしにそれらしい心理傾向や病名を付けて頂き、ただ納得して頂ければいいと思っています。

この過去生を思い出したことでわかった重要な事実は、性格は転生先でも受け継がれていくことです。

そして、転生を繰り返している間、受け継いでいる性格の質によってはそれが要因となって、人としての生を踏み外してしまう可能性が大いにあることも知っておいてほしいポイントです。

わたしが、お釈迦さまの下で功徳を積んでいなかったら、性格から起こした過ちのために、きっと三悪道(地獄界・餓鬼界・畜生界)に落ちて、二度と這い上がれていなかったでしょう。

ブッダガヤ マハーボディ寺院の菩提樹

まとめ

今回は、わたしが昨年思い出した過去生について、ご紹介してみました。

考えてみると、生まれ変わるということは、地球上の生物、特に人としての生きる上で、生老病死と同じような仕組みではないかと感じています。

生老病死転生

語呂はいまいちですが、ここから離れないと人に真の幸せは訪れないということです。一方で、この仕組みの詳細は人知を超越していて、何かわかったことがあると、新たにわからないことが増えてしまいます。

今回の過去生を思い出してからというもの、わたしの出家前の性格から、目に見えない世界から出家に導いて頂いた方や多くの人々に計り知れない迷惑や心配をかけてしまったと慙愧の念に囚われる事があります。

わたしは、出家前の性格が起因して、二千五百年あまりという長い長い回り道をしてしまいました。今世を以てして、ようやく生まれ変わることがなくなったと感じています。

人は生を繰り返すことで、こころの成長をしていかなければならい宿命の中にある

わたしにとって今世は、次の世界に行けるラストチャンスだったようです。長い時を掛けて、わたしに辛抱強く付き合っていただいた目に見えない存在に対して、ただただ感謝が尽きません。

最後になりますが、

ひとりひとりには高い価値があって、誰もが大いなる計画の中にある

これが、過去生を思い出して一番感じたことです。ただ、人としての道を踏み外して生きるものに対しては、容赦なく相応なる末路が用意されているようですのでご注意を。



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