ストレスの対処法

はじめに

「人生は苦である」とは古からの言葉ですね。そう実感している方が、多いことでしょう。人生、苦の最大の要因ともいえるものにストレスがあります。

昨日の記事の中でも、体の健康を乱す大きな要因のひとつとしてストレスについて触れました。

ストレスという言葉の歴史も長くすでに半世紀を超えます。人が日常茶飯事、いかにストレスにさらされているかがわかりますね。ストレスも進化していてそれが及ぼす対象をストレッサーと呼んで、場所や状況によって細分化されるようになりました。

今回は、人生の終わりまで付き合うことになるだろう、大きな人生の負担であるストレスについて考えてみました。

ストレスはいらない？

ストレスが必要な場面もあります。昨今の研究でもストレスの全くない状態より、少しだけストレスがかかっている状態が一番自分の能力を発揮できるという研究結果もあるようです。もちろん災害やハラスメント被害など行き過ぎたストレスは困ります。

一方で、ストレスなしでは向上心も目芽生えず、反対に起伏のない面白みのない人生になるかもしれません。正念場では、緊張をバネにするためにわざとストレスを掛けたりすることもあります。

すなわち焦点は、行き過ぎたストレスをどうするかにあります。

ストレスの正体

「苦しい」と言うと大げさに感じられるし引かれそうなこともあるでしょう。そんな時にストレスだといえば、日本では特に何となく納得させる社会の空気感があります。

ストレスというのは、なるべく穏便に済ませたい日本社会によく溶け込んだ、とても都合の良い言葉にも変化しました。しかし、良い面ばかりでもありません。

ストレスと言ってしまえば相手に納得させ追及させない一方で、相手ばかりでなく自分自身のなかでも軽く考えて納得してしまう危険性をはらんでいます。気分転換で済むストレスかどうかストレスに対する見極めが大切ですね。変に重く感じてもいけないし難しい問題です。

同じ種類のストレスでも、ある人は長い期間こころの深くまで痛手を受けたり、ある人は笑って済ませられる人もいます。ここに誤解が起こり軋轢が生じます。人は様々、その人の特性を受け入れる大きなこころの器がほしいところです。

ストレスとこころ

ストレスは、こころまで下りてくると罪を作りますし体への影響も大きくなります。しかし、その境界が分からない人がほとんどです。

人には、意識的でも無意識でも自分自身を守ろうという力が働きます。それが攻撃性となって自分のこころの内や外の他人へと向かうことがあります。外に向かうにしてもスポーツや趣味など昇華という形で解消できればよいのです。でも、長く放っておくと、自分自身や他人にぶつけることで自分を守るための防衛反応を働かせてしまうようです。その時に、ストレスはこころまで下りてきています。

こころの罪は生活はとても苦しくさせます。同時に、幸せを遠ざけてしまうものです。いらだつ気持ちとこころとを繋いではいけません。ストレスを早い段階で見極め対処する必要があります。

ストレスを軽く見ないこと

大抵の人は、目の中のごみ歯に詰まった食べ物や手に刺さったとげは、気になり取りたいと思います。しかし、こころに刺さったもやもやしている思いをどうかしようとすること人は少ないのではないでしょうか。

ストレスは困ったことに蓄積していきます。人肌に刺さる棘もこころに刺さる棘も同じであると自覚し、早めに対処することが大切です。気分転換の術などたくさんの引き出しをもって、こころに下りる前にストレスを”いなす”ことが生きていく知恵といえるでしょう。

それには感情や行動に移る一歩手前で思い変える訓練が役に立ちます。

ストレスの解消に向けて

”こころと気持ちは同じものだ”と思われる方がほとんどだと思います。

禅定・瞑想を重ねていくとこころと気持ちは別ものだとわかるようになってきます。

ストレスに切羽詰まってきたら一度広い視野に立つことです。今直面しているストレスと自分の置かれている状況を今一度広い視野に立って見直してみましょう。目に見えない世界を意識するのも良いでしょう。近視眼だと人は不幸に陥ります。

これからも続く人生のことや自分を取り巻く家族や親しい人のこ、それらを大きくかんがみてストレスとどう向き合うか考えてみることです。

まとめ

ストレスは、この世の中では大きなテーマです。

ストレスとは、現れては消え消えては現れる妖怪です。うまく付き合っていくしかありません。知らずにストレスを抱え込みこじらせてしまっては命にかかわります。

不条理だらけの社会。思い通りにならない体。これが、人の世です。

生きていくことはストレスと悟り、今一度、この世は修行であると再認識することです。