目に見えない世界への入り口

目に見えない世界への入り口

はじめに

人には、強弱がありますが、霊感というものを持っています。

以前の記事にも書きましたが、出家前のわたしの霊感は、いやな場所や悪気を持った人を何となく感じる程度でした。恐らく人並みといったところではないでしょうか。

霊感というのは、第六感と似たようなもので、人にとっては五感に次ぐ重要な感覚だと思っています。

暗闇に何かイヤな感じがしたり、ホテルに泊まるときにもこの部屋は何となく・・・とか、”虫の知らせ”もありますね。人が危険を察知する重要な感覚のひとつです。

目に見えない世界を信じる信じないにかかわらず、この第六感を日常感じてらっしゃる方も多いことでしょう。

最初の霊感

わたしは出家前に霊感が大きく働き始めました。丁度、妻を通じて出家した寺院にご縁を頂いた頃からだと思います。

わたしが、まず最初に身についた霊感は人を見る目です。人は、多かれ少なかれ自身の見た目を取り繕います。美しく着飾ったり、饒舌を隠れ蓑にしたり、出来るだけ本心を表に出さないようにします。

人をだまそうとして表面を偽るのは別にして、むしろ外からの印象を取り繕うのは人として当たり前のことです。特に利害関係がある相手の場合、誰でも自分を好印象に見せたいものです。

俗に、「あいつは腹黒い」といいますが、あくまで、その相手方と長い付き合いがある場合がほとんどですし、むしろ良い意味で使われる場合もあります。

しかし、わたしの場合、相手とあった瞬間、その人の腹の底よりさらに奥底にあるこころの有様を、ある程度感じてしまうようになったのです。

人がどんなに自分を良く見せようとも取り繕えないこころの底の世界です。

わたしが出家した寺院の僧侶の中には、相手の本心が分かりすぎて社会生活が困難なため、止む無く僧侶の道を選んだ方もいらっしゃいます。

もっとも、わたしの寺院の住職の場合、いま相手が何を考えているかも分かってしまうのです。

寺院の聖観世音菩薩

知ることの弊害

俗に、知らないことが幸せなこともあるといいます。

読者の中にも、わたしの情報を知らない方が良かったと思われている方もいらっしゃるでしょう。「生きても修行、死んでも修行」ではなく、むしろ死んだら西方浄土だと思っていれば幸せだったのかもしれません。

情報は時として残酷です。この人を見る目は、先の出家者のように一時自分を苦しめました。

いかに人の世が偽善に満ちた世界なのか、身に染みてわかったからです。そんなことはじめからわかったことだと思うかもしれません。

しかし、みなさんが思っている以上に、現代の人のこころは荒んでいるのです。

おわりに

この世を平和でそして幸せに暮らすために必要なのは、政治でも行政の力でもありません。時として哲学や宗教はその道筋を示しますが、大切なのはひとりひとりのこころの成長です。難しい教義でも理論でもないのです。

お釈迦さまはいち早くそのことを悟りました。しかし、この人のこころが一筋縄ではいきません。それは、今世ばかりか前世から積み重なって残っているからです。

数学や物理のように、

なんだ自分のことなら知っている!

といった類のものではないのです。その複雑に絡んだ個々のこころの状態を”ほとく”ことができるのは、”仏(ほとけ)”だけです。

いつの日か、みなさんのこころをほとく灯火が灯ることを、こころの底から本当に願っています。



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