仏の教え

お知らせのかたち

お知らせのかたち

はじめに

目に見えない世界からの情報は、多くの受け取り方があるでしょう。

わたしの寺院では、お知らせは信徒さんへのご利益の側面もありますが、修行をその目的の主眼に置いています。特に、お釈迦さまからのお知らせの場合、どこの経文に基づいているのかを明確にして教義として確立しています。

その受け取り方について、わたしの寺院の場合を書いてみました。

お知らせの受け取り方

お知らせは、通常止念観という瞑想中に受け取ります。

止念観の瞑想

止念観という瞑想は、お釈迦さま存命の時代から主にお弟子さんたちが行っていた瞑想法で、こころを整える修行と同時に神仏からのお知らせを頂く形態でもあります。

しかし、覚醒中は難しいという方も多くいらっしゃいますので、就寝前にお知らせを祈って霊夢という形をとる場合もあります。

それは、仏説観普賢菩薩行法経というお経にも説かれています。

心念大乗 昼夜不捨 於睡眠中 

夢見普賢 爲其説法

心に大乗を念じて昼夜に捨てざれば

睡眠の中に於いて 

夢に普賢その為に法を説くことを見ん

仏説観普賢菩薩行法経

経文の説かれてあるように、こころを整えて祈ってから就寝するとより確実となります。また、今日明日などと期日を限定しなければ、常日頃、こころに留めながらお知らせを待つ方法もあります。ちなみに、就寝中に受け取りやすいというのは、特に寝入りや朝方のまどろみの最中は、止念観の静慮に近いこころの状態を得ることができるからではないかと推察しています。

お知らせの内容

寺院の出家者と違って信徒さんの場合、お知らせの内容は自分自身のことに限定されます。従いまして、

「Kさん、あなたが事故に会うようなお知らせを頂いたから気を付けてね」

などといった信徒さん同士の会話は、間違っていることになりますw。それは、僧侶や住職の再確認が必要ですが、当の本人が事故に会う可能性があるということです。おおかた、その信徒さんは事故に会う霊夢の前に、Kさんが夢にでも出てきたのでしょう。

ちなみに、わたしも出家前に事故についてのお知らせで随分助けていただきました。

横から飛び出してくる車のお知らせを頂いたときは、霊夢の当日、お知らせ通り車が脇道から飛び出してきて、間一髪で避けることができたことがあります。車の色や形もお知らせ通り黒いミニバンでした。予め、気を付けていると心掛けが違うものです。

霊夢というものには必ず根拠があって、神仏によってそれぞれ明確な特徴があります。また、その特徴の区別は信徒さんには難しいので、ただの夢と勘違いしてしまうケースも稀にあります。

まとめ

お知らせを頂くのは、当然信徒さんの霊感の強弱にもよります。そのため、受け取っているにも関わらず、

「お知らせを頂くことができない」

と嘆く方もいらっしゃるようです。

霊感を鋭くする訓練もありますが、例え自身では受け取りできなくとも僧侶や住職が代わって受け取ります。信徒さんの中には、もちろん自身のことですが、映画のストーリーさながらのお知らせを受け取られる方もいらっしゃいますw

また、どちらかと言えば男性よりも女性の方が、お知らせを感受しやすいようです。

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